2007-12-05 Wed

Painter9.5 使用ブラシ(バリアント):
線=コンテ(先細コンテ2.5)
色=ペン(べた塗り) 、ティント(標準丸筆)
+オブジェクト(ドロップシャドウ)
★フリーの梵字フォント使用
紀州(和歌山県)、御坊市には道成寺(どうじょうじ)というお寺がある。
今回絵にしたのは、道成寺の本尊、国宝・千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)。
紀州デンシャ旅の最大のサプライズだった。
道成寺は知っていた。姫が最後にはヘビになって恋した僧を釣鐘もろとも焼き殺す、「安珍清姫」の伝説で有名だ。地元のTちゃんも道成寺といえばいつもその話なので、それしかない寺だと思い込んでいたのだ。この日、御坊を色々案内してくれたTちゃんと煙樹ヶ浜(えんじゅがはま)で海など眺めながら話していた時も道成寺の話題でそこに行き着いた。彼女としては寺での絵解き説法が面白いらしいのだが、耳タコなので話を変えるつもりで「仏像はないの?」と聞けば、たくさんあるよ、と言う。寝耳に水というか、それ何で今まで言ってくれなかったの!?という気持ちで浜でのまったり感が一転、道成寺へクルマをとばしてもらう。
午後4時を過ぎていた。早い寺は4時半には閉門になる。焦る。

左:本堂と三重塔/右:宝仏殿
JR紀勢本線・道成寺駅からも近いところに道成寺はあった。仏像の納められている宝仏殿は午後5時まででひと安心。拝観料600円を払い、御朱印をお願いしてTちゃんと中へ入る。入り口からすぐの間(ま)に、いわゆる「道成寺もの」の歌舞伎の写真パネルや小道具の釣鐘らしきものがあるが、目もくれず奥の仏像の間へ。すでに相当のブツ(仏像)が並んでいる様子が伺えるが、足を踏み入れて驚愕した。種類も豊富で像高2〜3m、造形も立派なブツが20体あまりも勢揃いしている。中でも特に目を引いたのが本尊の千手観音だった。
文字通り千本の手がある像は稀で、この道成寺のも、ある法則で40数本に省略されているタイプの千手観音だが、多数の手を束ねた「千手セット」を背負わされているような無理矢理感がない、非常にバランスの美しい、そして平安時代初期のものとは信じられない保存状態の、素晴らしすぎる一躯だった。本尊とか国宝とかそんな肩書きを抜きにしても、この像の前から去りがたい思いのする尊さと存在感があった。デンシャに乗りに来てすごいものに出会えた、という感動に包まれて寺を後にした。

ところで、何だか気の利かない鈍な人のように書いてしまったTちゃんだが単にデンシャや仏像に興味がないだけで、夏にはジェットのために御坊から琵琶湖までクルマで通うような超アクティブな女性だ。この日も夕方から用があるのに付き合ってくれてとても感謝している。
そうして前回書いたように紀州鉄道とJRを乗り継いで帰途に着いた僕だが、JR東海道線の人身事故の影響による紀勢本線のダイヤの乱れは、帰りも回復していなかった。
(終わり)
2007-10-19 Fri

Painter9.5 使用ブラシ(バリアント):
線=コンテ(先細コンテ2.5)
色=ティント(標準円形)
+ドロップシャドウ
13:11、JR黒崎駅から再び鹿児島本線の列車に乗り、博多へ。
デンシャ=鉄道と並ぶ、今の僕の大きな興味の対象、それは「仏像」。
愛読書『見仏記』第1巻で夢見た、大宰府・観世音寺の巨大馬頭(ばとう)観音!
ついに今日、これから会いに行くのだ。
![]() | 見仏記 (角川文庫) (1997/06) いとう せいこう、みうら じゅん 商品詳細を見る |
せっかくだから西日本鉄道にも乗ってみたいので、博多からは地下鉄で天神、西鉄福岡(天神)駅から天神大牟田線に。こっちでいうと近鉄京都線のような雰囲気の路線だったが、乗り込んだ「特急」は特急券の要らない京阪スタイルだった。

あっという間に西鉄二日市。大宰府線に乗り換えてひと駅の西鉄五条で下車。
念のため駅員さんに道を尋ねると、マップをくれた上に親切に教えてくれた。元々まったく方向オンチではない僕だが、おかげで確実に歩けて5〜6分で観世音寺に着いた。

もうてっきり門前町の広がるような大伽藍を想像していたのだけれど、
門も土塀もない、近所のお宮さん的な佇まいに拍子抜けした。

本堂もちんまりしていて、目当ての仏像は宝蔵にあると「見仏記」で知ってはいるものの、
本当にココがはるばる京都から目指した観世音寺なのかと多少不安になる。

宝蔵の拝観料500円を払い、中へ。数年前から集め始めた朱印(どこでも300円)も一緒にお願いして
いよいよ階段を上がると、果たしてそれは居た。というか、そびえ立っていた。
いくら像高5mだのデカいだの書いても、己の目で実感・体感しないとダメだ。今回も一応絵にはしてみたけど、こんなものじゃ何も伝わらないだろう。僕も来てみて本当の凄さが分かった。圧倒された。
馬頭観音の両脇にも同様にデカい十一面と不空羂索(ふくうけんざく)観音。壮観だ。
他にも、以前京都国立博物館の企画展で見た大黒天や、「見仏記」でも触れられているカッコいい兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)など、マニア垂涎のブツ(仏像)が目白押しで、時の経つのを忘れる。人影も絶えないし、しまいには団体客までやってきた。
帰る間際、頼んでいた朱印帳を受け取る時に受付のオッちゃんに「素晴らしいのがいっぱいですね」と興奮気味に語りかけると、いくぶん誇らしげにニコニコとしながらも「ここの仏像は指定が重文だから国宝に比べ修繕費など国から出る金額が低くて苦労する、九州は京都や奈良とは地元行政の待遇からして違う」などと思わぬ方向に話が拡がった。要するに、仏像の世界では九州は田舎だ、というようなことらしい。
あまり何度も「京都や奈良(の恵まれた環境)みたいに…」と口の端にのぼるので、ついに「京都から来た」とは言いそびれてしまった。
確かにかつては政治・文化の中心だった京都・奈良ではあるけれど、住人の僕にしたって貴重で有名なブツをすぐ見に行ける、ぐらいの恵みは感じていたものの、「見仏記」で いとう氏も幾度となく論じていた「中央」という概念と、執念に近い「地方」の人の思いをここで痛感させられるとは思いもよらなかった。
観世音寺。馬頭観音の大きさだけでなく、訪れる価値もとても大きな場所だった。

しかし、またもや時間の関係で、目と鼻の先の太宰府天満宮や大宰府跡などに寄れなかったのも大きな心残りとなった。これから僕は佐賀県を経て、今夜の宿のある長崎県へ向かわねばならない。福岡で一泊するべきだったな…。
(つづく)
2007-03-26 Mon

Painter9.5 使用ブラシ(バリアント):
線=コンテ(先細コンテ4)、色=ティント(標準円形)
文字=Photshop Elementsで加工
描きかけの電車の絵を一時休止して描いてしまったほど
すごいブツ(仏像)を見てしまいました。
洛西・宝菩提院願徳寺の国宝・如意輪観世音菩薩半跏像。
(ほうぼだいいんがんとくじ、にょいりんかんぜおんぼさつ はんかぞう)
昨年秋〜暮れに東京国立博物館で行われてた
「仏像〜一木にこめられた祈り」展に出張していたこのブツを見た人から
とにかく素晴らしい!とは聞いていたのですが、今日(日曜)実際に見てみて
そのあまりの美しさ、存在感、神々しさにシビれるほどの感動を受けました。
お寺の住職さん直々の説明&ある演出と共に
このブツと対面することになるんだけど、
その瞬間、感動のあまりマジで泣きそうになりました。
この日、ここに来るまで見て来た正法寺、勝持寺のブツの印象が
全部ふっとぶほどでした。
これは今のところ、僕が見たブツの中ではナンバーワンです。

今回訪れたのは洛西の大原野というエリアで、
バスの便が1時間に1本しかないのは閉口しましたが
その分、観光地化されてないというか、のんびりした山里といった風情で
いい時間を過ごせました。
帰りのバス停までの道中にふらっと立ち寄ったお寺(名前失念)では
早咲きの桜も見ることができました。

IXY800ISの"ワンポイントカラー"という機能を使って花の色以外はモノクロで撮ってみたり。
(Photo:Kyo-to)
2006-11-18 Sat

Painter9.5 使用ブラシ(バリアント):
ティント(標準円形)
こないだの日曜に聖護院で見てきた蔵王権現(ざおうごんげん)像を描いてみました。
『TV見仏記8/右京・左京の仏』でも取り上げられたブツです。像高1mぐらい。
仏像というとワビサビの世界だと思ってる人が多いと思います(僕もそうだった)が、
元々は金ピカだったりこんな風に鮮やかに彩られていたんです。
「聖護院」というと聖護院八つ橋をイメージしてしまいますが、
聖護院門跡という修験道(山伏が険しい山で修行するアレ)の本山派総本山があるのです。
その修験道の祖、役行者(えんのぎょうじゃ)が吉野の金峰山での修行中に
目の前に現れた(正確には感得した)のがこの蔵王権現なんだそうです。
まぁ僕ならまずチビりながら山降りますけどね、こんなん出てきたら。
聖護院、通常は1週間前までに予約しないと中を見せてもらえないのが
19日までは秋季特別拝観で、有料だけど自由に拝観できるので
仏像好きじゃなくてもオススメです。
2005-11-30 Wed

11/20で終わってしまったけど、京都国立博物館で開催された
「天台宗開宗1200年記念 最澄と天台の国宝」展で見た
比叡山無動寺の五大明王像のひとつ、
金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王像です。
重要文化財、鎌倉時代の慶派仏師作らしいです。
Painter7 使用ブラシ:ドライメディア
(バリアント 線=アーティストパステル、色=オイルパステル)
“金剛夜叉明王立像(滋賀県・無動寺)”の続きを読む>>
2005-09-10 Sat
2005-09-06 Tue
2005-08-25 Thu
2005-08-14 Sun

みうらじゅん&いとうせいこう著『見仏記』に端を発し、
ネットで知り合ったmakiさん・mikaさん・おねいちゃんに
影響を受けて、昨年あたりから本格的に仏(ブツ)に
興味を持つようになりました。
絵のネタ探しのついでにそこそこ数は見てるつもりですが
まだ絵にしてないことに気付き、シリーズ化を目論んでみました(笑)。
第一回目は、ついこないだ琵琶湖へ釣りに行った際に寄った
滋賀県・石山寺の本尊、如意輪観音半跏像。
“如意輪観音半跏像 (滋賀県・石山寺)”の続きを読む>>








